経済・産業トレンド 暫定最終規則発表、最終規則策定予定、関連訴訟継続中

米税関、デミニミスルール無期限停止の暫定最終規則を発表、トランプ政権の措置を制度化

米国税関・国境警備局(CBP)は、輸入申告額800ドル以下の少額貨物に対する免税輸入制度「デミニミスルール」の適用を無期限に停止する暫定最終規則(IFR)を発表しました。これにより、対象となる輸入品は電子申告システム(ACE)を利用した輸入申告、原産国申告、適切な関税支払いが義務付けられます。また、輸入申告額2,500ドル以下の国際郵便を通じた輸入品を対象に、新たな略式電子申告形式「エントリータイプ13」の試験運用も開始されます。

この発表の要点

企業・自治体への影響

米国への少額貨物輸出を行う企業は、デミニミスルール停止により関税負担が増加し、電子申告手続きの変更が求められます。特に国際郵便を利用する企業は、発効日が迫っているため迅速な対応が必要です。貿易実務、経理、法務部門において、コスト増と業務フローの見直しが必要となるでしょう。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 経理

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 米国税関・国境警備局(CBP)
発表日 2026-06-25
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月25日

米国税関・国境警備局(CBP)は6月24日、輸入申告額800ドル以下の少額貨物の輸入に対する免税輸入制度の「デミニミスルール」の適用を無期限に停止する暫定最終規則(IFR)を発表した。トランプ政権は2025年以降、行政命令を通じてデミニミスルールの適用を段階的に停止してきていたが、今回の措置はCBPがこれをあらためて制度化したものと位置付けられる。

今回CBPは、輸入申告額800ドル以下の(1)国際郵便ネットワークを通じた輸入品、(2)他の輸送手段を通じた輸入品に対するデミニミスルールの適用停止を規定した2本のIFRを官報に公示した。国際郵便を通じた輸入品に対するIFRは7月24日に発効する。他の輸送手段を通じた輸入品に対するIFRは6月24日に発効する。以降に通関する輸入申告額800ドル以下の輸入品は、電子申請システム(ACE)を利用した輸入申告書類の提出が必要となり、輸入品の原産国の申告のほか、適切な関税などを支払わなければならない(注1)。CBPはIFRについてそれぞれ7月24日までパブリックコメントを募集する。CBPはコメントを踏まえて最終規則(FR)を策定する。

また、CBPはデミニミスルールの適用停止と合わせて、輸入申告額2,500ドル以下の国際郵便を通じた輸入品を対象に、ACEを利用した新たな略式電子申告形式「エントリータイプ13」(注2)の試験運用を開始すると発表した。6月24日付の官報で公示した。試験運用は9月22日に開始する。

ドナルド・トランプ大統領は2025年8月に、全世界に対してデミニミスルールの適用を停止する大統領令を発令した(2025年8月1日記事参照)。また、トランプ大統領は2026年2月に、輸入申告額800ドル以下の国際郵便を通じた輸入品に対して1974年通商法122条に基づく10%の課徴金を課す大統領令を発令した(2026年2月24日記事参照)。CBPは今回の措置について、「これらの大統領令の政策目標に沿ったもの」としつつ、「CBP独自の法定権限に基づき規則を制定した」と強調している。トランプ大統領のデミニミスルールの適用停止の大統領令については撤回を求める訴訟が起こされているが、今回のCBPの規則制定により、デミニミスルールの適用停止は司法の裁定によらず維持されることになるとみられる。ただし、通商専門誌インサイドUSトレード(6月23日)は、「トランプ政権が裁判で敗訴した場合、CBPが今回の措置を講じる前に米国に輸入した貨物については、関税が還付される可能性は依然として残っている」とも指摘している。

(注1)ただし、100ドル以下の贈答品、個人手荷物などを除く。
(注2)登録輸入業者(IOR)が以下の12項目の情報を提出することが求められる。(1)申告者コード、(2)IOR番号、(3)貨物の説明、(4)原産国、(5)該当する10桁の米国関税分類番号(HTSコード)なお、HTSコード第1章から第97章までの主要分類に加え、第98章および/または第99章の該当する二次分類を含む、(6)特定の関税が適用される場合の数量および重量、(7)関税率、(8)価額、(9)納付する関税の総額、(10)運送業者名、(11)海外の郵便事業者が発行した追跡番号、(12)到着港。

(葛西泰介)

(米国)

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米税関、デミニミスルール無期限停止の暫定最終規則を発表、トランプ政権の措置を制度化

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/917c9b9ee9eecbfe.html

時系列

主な数値

デミニミスルール適用停止対象額 800ドル以下
エントリータイプ13試験運用対象額 2,500ドル以下
デミニミスルール適用除外品対象額 100ドル以下
課徴金率(大統領令による) 10%

この事例から確認すべきポイント

米国税関・国境警備局(CBP)によるデミニミスルール無期限停止の暫定最終規則発表は、トランプ政権の行政命令を制度化する動きであり、米国への少額貨物輸入に関わる企業に大きな影響を与えます。これまで免税対象だった輸入申告額800ドル以下の貨物に対し、今後は電子申告システム(ACE)を通じた申告、原産国申告、適切な関税支払いが義務付けられるため、輸入コストの増加と手続きの複雑化が予想されます。特に、国際郵便を通じた輸入品には発効日が7月24日と迫っており、迅速な対応が求められます。また、CBPは新たな略式電子申告形式「エントリータイプ13」の試験運用を開始することで、手続きの簡素化を図る意図も見て取れますが、その詳細と適用範囲を把握することが重要です。現在、デミニミスルール適用停止の大統領令については訴訟が継続中であり、司法の判断によっては関税還付の可能性も指摘されており、今後の動向を注視する必要があります。企業は、パブリックコメントの募集期間中に意見を提出することも検討し、自社の事業への影響を最小限に抑えるための情報収集と準備を進めるべきです。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-25

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