経済・産業トレンド

南ア、第1四半期の成長率は前期比0.5%、6四半期連続でプラス成長

南アフリカ共和国統計局は、2026年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前期比0.5%となり、6四半期連続のプラス成長を記録したと発表しました。金融、農業、貿易、運輸が成長を牽引した一方、製造業はマイナス0.8%と縮小しました。中東での軍事衝突の影響はまだ反映されていませんが、ABSA銀行は2026年後半のGDP成長率が0.1%に減速すると予測しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

南アフリカと取引のある企業や、同国への投資を検討している企業は、経済成長の鈍化リスクと特定の産業(製造業)の低迷に注意が必要です。特に、中東地域への輸出が多い農業、食肉、有機化学品関連企業は、地政学的リスクによるサプライチェーンや市場アクセスへの影響を注視し、事業計画を見直す必要があるでしょう。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 経理 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 南アフリカ共和国統計局
発表日 2026-06-09
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月23日

添付資料(111 KB)

南アフリカ共和国統計局は6月9日、2026年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(前期比、季節調整済み)が0.5%となったと発表した(添付資料表1参照)。これにより、南アでは6四半期連続のプラス成長を記録した。

産業別実質GDP成長率をみると、生産(供給)側の10産業のうち9産業がプラス成長だった。中でも、金融(金融・保険など)、農業(農林水産業)、貿易(卸・小売・飲食業・宿泊業)、運輸(運輸・物流サービスなど)が経済成長の主要な牽引役となった。金融は0.9%で、GDP成長率に0.2ポイント寄与した。農業は、畑作物と園芸作物の生産が好調だったことから、3.9%と産業別で最も高い成長率を記録した。これにより、農業は6四半期連続の成長となった。貿易と運輸はともに、業績改善により0.7%だった。鉱業も、白金族金属、金、クロム鉱石、ダイヤモンドの生産が増加したことから、0.7%となった。

一方、第1四半期に縮小した産業は製造業のみで、マイナス0.8%となった。製造業の落ち込みは、主に石油・化学、鉄鋼、木材・紙・出版部門などの低迷によるものだった。なお、ガラス、非金属鉱物製品、自動車・輸送機器、電気機械、繊維・衣服などのサブセクターではプラス成長がみられたが、製造業全体をプラス成長に押し上げるには至らなかった。

需要(支出)面では、純輸出、民間支出、政府支出がプラス成長を記録し、GDP成長に貢献した。しかし、民間部門による機械・その他の設備や住宅建設への投資は低迷した。その結果、第1四半期の総固定資本形成は1.1%減少した(添付資料表2参照)。

なお、今回の結果には、2026年2月末に始まった中東での軍事衝突の影響はまだ反映されていないとみられる。ABSA銀行のエコノミストは、米国・イスラエルとイランの軍事衝突が、南アのエネルギー輸入とインフレに与える影響に注目が集まっていると言及した。しかし、この紛争は他の分野にも影響を与える可能性が高いという。南アの総輸出のうち、湾岸諸国向けはわずか4%に過ぎない。一方、果物(湾岸諸国向け:13%)、肉(52%)、有機化学品(9%)など、重要な輸出セクターにとっては、湾岸市場が相対的に大きな割合を占めている。ABSA銀行は、中東紛争の悪影響により、2026年後半のGDP成長率は0.1%に減速すると予測している。

(トラスト・ムブトゥンガイ、多崎央)

(南アフリカ共和国)

ビジネス短信 5264d79c0cbcedef

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南ア、第1四半期の成長率は前期比0.5%、6四半期連続でプラス成長

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/5264d79c0cbcedef.html

時系列

主な数値

2026年第1四半期実質GDP成長率(前期比、季節調整済み) 0.5%
連続プラス成長期間 6四半期
金融産業の成長率 0.9%
農業産業の成長率 3.9%
貿易産業の成長率 0.7%
運輸産業の成長率 0.7%
鉱業の成長率 0.7%
製造業の成長率 -0.8%
総固定資本形成の減少率 1.1%
南アフリカの総輸出に占める湾岸諸国向け割合 4%
果物の湾岸諸国向け輸出割合 13%
肉の湾岸諸国向け輸出割合 52%
有機化学品の湾岸諸国向け輸出割合 9%
2026年後半のGDP成長率予測(ABSA銀行) 0.1%

この事例から確認すべきポイント

本発表は、南アフリカ経済が2026年第1四半期に0.5%の成長を達成し、6四半期連続のプラス成長を記録したことを示しています。金融、農業、貿易、運輸が主要な牽引役となった一方で、製造業はマイナス成長を記録し、総固定資本形成も減少しており、国内投資と産業生産における課題が浮き彫りになっています。また、2026年2月末に始まった中東での軍事衝突の影響はまだ反映されていないものの、ABSA銀行は同紛争がエネルギー輸入やインフレ、そしてGDP成長率の減速(2026年後半に0.1%と予測)に繋がるとの見方を示しています。特に、湾岸諸国への輸出割合が高い果物、肉、有機化学品などのセクターは、地政学的リスクによる影響を注視する必要があります。企業は、南アフリカ経済の回復力と同時に、外部要因による脆弱性を認識し、事業戦略に反映させることが求められます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-23

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