グジャラート州で宇宙産業サミット開催、共用インフラ整備や資金供給を加速
この発表の要点
- インドの宇宙市場を今後10年で440億ドルに拡大し、世界シェア7~8%を目指す方針が示された。
- GJ州と共同で「宇宙製造パーク」を開発し、試験設備などの共用インフラをスタートアップや中小企業に開放する予定。
- 50億ルピーの技術採用基金(3社を認定)および100億ルピーの宇宙ベンチャーキャピタル基金による資金供給を加速する。
企業・自治体への影響
宇宙・航空分野や製造業、IT・スタートアップ支援に関わる企業や自治体において、インド市場への参入や現地企業との提携機会を検討する際の重要な参考情報となる。関連部門は現地の政策動向や支援スキームを確認することが求められる。
対応すべきこと
- 公式出典や関連情報を確認し、自社の事業分野におけるインド宇宙市場での参入可能性を検討する。
- グジャラート州の「宇宙技術政策2025-30」やIN-SPACeによる支援スキームの最新動向を関係部門で共有する。
- 現地スタートアップ企業や共用インフラを活用した協業・提携の可能性を調査する。
対象部門: 経営者 総務 法務 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | インド国立宇宙推進認可センター(IN-SPACe) |
|---|---|
| 業界 | 宇宙・航空 |
| 発表日 | 2026-06-18 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月18日
インド西部グジャラート(GJ)州で6月10~11日、民間主導の宇宙産業促進を目的としたサミット「インダストリーコネクト」が開催された。主催はインド国立宇宙推進認可センター(IN-SPACe)で、今回が10回目の開催となる。イベントには、ジテンドラ・シン科学技術相およびピユシュ・ゴヤル商工相らが登壇した。
IN-SPACeのパワン・ゴエンカ会長(左)とジテンドラ・シン科学技術相(右)との対談(主催者提供)
インドでは、宇宙分野への民間参入を可能にする制度改革の一環として2020年にIN-SPACeが設立されるなど、政策による追い風の下、宇宙産業エコシステムが急速に拡大している。2026年時点で宇宙分野のスタートアップは400社超に達し、累計投資額は5億ドルを超えた。また2026年5月には、ハイデラバードに拠点をおくスカイルート・エアロスペースが約6,000万ドルを資金調達し、インド初の宇宙テック・ユニコーン企業(企業価値10億ドル以上で未上場)となった。
今回のイベントでIN-SPACeのパワン・ゴエンカ会長は、現在、約84億ドル規模のインドの宇宙市場を今後10年で440億ドルに拡大し、世界シェアを7~8%へ引き上げるという野心的な目標を打ち出した。また、宇宙分野の企業支援に関する具体的な取り組みも公表された。主な内容は次のとおり。
設備面では、最先端の共用インフラを備えた「宇宙製造パーク」をGJ州と共同開発する。熱真空試験設備やロケット試験設備などを整備し、宇宙分野のスタートアップや中小企業が共同利用できるかたちで開放予定。
資金面では、2025年に創設された50億ルピー(約85億円、1ルピー=約1.7円)の技術採用基金を通じ、技術成熟度レベル(TRL)を研究段階の3~4から、商用化段階の7~8へ引き上げる支援を行う。同基金の支援対象として、サットシュア、アストロベース、テイク・ミー・トゥ・スペースの3社が認定された。
また、IN-SPACeが主な出資者となる100億ルピー規模のベンチャーキャピタル基金「宇宙ベンチャーキャピタル基金(Antariksh Venture Capital Fund)」を通じて、企業の規模拡大や新技術の商用化などの取り組みを支援する。
技術採用基金の支援対象となった、サットシュア、アストロベース、テイク・ミー・トゥ・スペースの3社(ジェトロ撮影)
GJ州は、上記のようにインドにおいて航空宇宙分野の研究開発と産業化に注力している地域の1つだ。IN-SPACeが本部を構えるほか、州政府は2025年4月に、航空宇宙分野の優遇措置や財政支援を盛り込んだ「宇宙技術政策2025-30」を発表している(2025年4月25日記事参照)。また、アーメダバード近郊のコーラジでは、航空宇宙分野の製造拠点誘致が進められている。こうした取り組みを背景に、GJ州はインドにおける宇宙産業ハブとしての役割を強めていくとみられる。
(林田勇太、タヌ・バヤッド)
(インド)
ビジネス短信 2c8d1c16ec2b5867
関連情報
dummy
もっと見る
ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
グジャラート州で宇宙産業サミット開催、共用インフラ整備や資金供給を加速
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/2c8d1c16ec2b5867.html
時系列
- 2026-06-10 グジャラート州で宇宙産業促進サミット「インダストリーコネクト」が開催された(6月10~11日)。
- 2026-05-01 ハイデラバードのスカイルート・エアロスペースが約6,000万ドルを資金調達し、インド初の宇宙テック・ユニコーン企業となった(5月時点)。
- 2025-04-01 グジャラート州政府が「宇宙技術政策2025-30」を発表した(4月25日参照)。
主な数値
| 宇宙分野のスタートアップ企業数 | 400社超 |
|---|---|
| 累計投資額 | 5億ドル超 |
| スカイルート・エアロスペースの資金調達額 | 6000万ドル |
| インドの現在の宇宙市場規模 | 84億ドル規模 |
| 将来の宇宙市場規模目標 | 440億ドル |
| 世界シェア目標 | 7~8% |
| 技術採用基金の規模 | 50億ルピー |
| 技術採用基金の規模(日本円換算) | 85億円 |
| 技術採用基金の為替レート | 1.7円/ルピー |
| 技術採用基金の支援対象企業数 | 3社 |
| 宇宙ベンチャーキャピタル基金の規模 | 100億ルピー規模 |
この事例から確認すべきポイント
インドにおける宇宙産業は、制度改革と政府による強力な資金・インフラ支援を背景に急拡大している。本発表では、具体的な市場規模の拡大目標に加え、共用インフラの整備やベンチャーキャピタル基金を通じたスタートアップ支援が示された。インド市場進出や現地企業との協業を検討する関連企業・実務担当者にとっては、現地の政策動向やエコシステムの成長スピードを把握し、産官学連携の機会や新たなビジネスチャンスを継続的にモニタリングすることが重要となる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-18
関連事例
- イラク中部の火力発電所計画が前進、キャピタル・インベストメンツが10億ドルの資金調達契約とりまとめを発表
- ジェトロ、インド北部チャンディガルに人材ミッション派遣、日本企業とインド大学生の接点を創出
- ベルリンで清酒試飲イベント開催、伝統と革新が共存する「SAKE」の世界を紹介
- スイスリー、インド損保大手バジャジ・ゼネラルと商業保険分野で提携へ
- イラン政府、東西回廊整備や輸送能力強化などの方針を示す
自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?
無料でプレスリリースを掲載する