ペルー政府がエルニーニョ現象発生を発表、次期政権の重要課題に
この発表の要点
- ペルー政府は2026年2月からエルニーニョ現象が発生し、5月から上昇傾向が強まっていると発表した。
- 2027年2月まで強いエルニーニョ現象が続く可能性は50%以上と予想されている。
- 農業、水産業、小売業、鉱工業、インフラへの影響が懸念されており、次期政権の重要課題となっている。
企業・自治体への影響
ペルー国内での農業、水産業、小売業、鉱工業などの広範な産業やインフラに影響が及ぶほか、海外市場向けの農産品・衣料品の受注や生産活動に支障をきたす可能性がある。現地に関連する調達・営業・サプライチェーン部門は動向に注意が必要である。
対応すべきこと
- 公式出典および現地の最新気象・経済情報を確認する
- ペルーに拠点やサプライチェーンを持つ部門へ情報を共有する
- 土砂災害やインフラ影響による操業・物流リスクの有無を点検する
対象部門: 経営者 総務 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ペルー政府 |
|---|---|
| 業界 | 農業・水産業・小売・鉱工業 |
| 発表日 | 2026-06-18 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月18日
ペルー政府は6月12日、国家エルニーニョ現象調査(ENFEN)に関する技術報告書を公表した。ペルー太平洋沿岸の海水温の変化を基に算出する「沿岸地域エルニーニョ現象指数(ICEN)」の分析により、2026年2月から平年より海水温が上昇するエルニーニョ現象が発生し、5月から海水温の上昇傾向が強くなっていることが明らかになったとしている。
2027年2月までは強いエルニーニョ現象が発生する可能性が50%以上で、その後、徐々に弱まるものの2027年4月まで続くと予想し、土砂災害などへの備えが必要と呼びかける。
水産資源について、海水温の変化に応じてカタクチイワシが通常と異なるかたちで南北方向と東西方向に移動するほか、通常はみられない魚種が出現する可能性があると指摘している。
エルニーニョ現象は農業、水産業、小売業、鉱工業など幅広い産業に影響が及ぶため、これまでもペルー経済にインパクトを与えてきた。これからペルーでは本格的な冬を迎えるが、気温が高いと冬物衣料の販売に影響する。また、エルニーニョ現象の影響が北半球に及ぶと、米国など海外市場向け衣料や農産品の受注・生産減につながる。土砂災害、河川氾濫などで水道、電気、道路や橋などのインフラに影響が及ぶと市民生活や鉱山の操業にも支障がでることがある。
ペルー国家統計情報庁(INEI)の統計によると1996年以降の30年間で実質GDP成長率(通年)がマイナス成長となった年は3回あった。このうち1998年と2023年の2回がエルニーニョ現象によるもので、2020年が新型コロナウイルスによるものだった。
6月7日に実施された大統領選挙の決選投票の集計作業は続いているが、新政権にとってエルニーニョ現象への対策は避けて通れない課題となる。ケイコ・フジモリ候補はエルニーニョ現象に関する公約として、農業分野では自然災害に弱い地域を優先に衛星と遠隔センサーを用いた防災対策を行い、水産分野では政府と国際機関の協調による国営漁業保険制度の創設検討を掲げている。
ロベルト・サンチェス候補は選挙審議会(JNE)に受理された公約(注)で、水道事業、農業、水産業、森林保護、保健の分野で気候変動への適応化と影響緩和の措置を講じることを強調している。
(注)サンチェス氏は決選投票の直前に公約を見直したと発表したが、JNEからは認められていない(2026年6月5日記事参照)。
(石田達也)
(ペルー)
ビジネス短信 0e1015978c0b69af
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ペルー政府がエルニーニョ現象発生を発表、次期政権の重要課題に
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/0e1015978c0b69af.html
時系列
- 2026-06-05 サンチェス氏の公約見直しに関するJNEの判断について記事参照が言及
- 2026-06-07 大統領選挙の決選投票が実施された
- 2026-06-12 ペルー政府が国家エルニーニョ現象調査(ENFEN)に関する技術報告書を公表した
- 2026-06-18 ジェトロビジネス短信として本記事が発表された
主な数値
| 強いエルニーニョ現象が発生する可能性(2027年2月まで) | 50%以上 |
|---|---|
| 1996年以降の実質GDP成長率(通年)マイナス成長回数 | 3回 |
| エルニーニョ現象によるマイナス成長回数(1996年以降) | 2回 |
| 新型コロナウイルスによるマイナス成長回数(1996年以降) | 1回 |
この事例から確認すべきポイント
ペルーにおけるエルニーニョ現象の発生および長期化の予測は、同国の農業、水産業、小売業、鉱工業などの基幹産業へ広範な影響を及ぼす。過去の統計ではエルニーニョ現象が実質GDP成長率のマイナス要因となっており、サプライチェーンや海外市場向け農水産品・衣料の受注・生産動向に直結する。現時点で取得できた本文からは、具体的な被害想定額などの詳細を確認することはできないため、現地に進出あるいは取引関係を有する企業においては、公式出典や現地の最新情報を確認しつつ、インフラ障害や資源移動に伴うリスク管理を行うことが重要となる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-18
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